平成25628

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連結納税制度について

 

新聞報道によると、税負担の軽減を目的として、花王が平成2512月期から、オンワードホールディングスが平成262月期から連結納税制度を導入するとのことです。

連結納税制度は、平成14年度税制改正により、独占禁止法改正による純粋持株会社の解禁、商法改正による株式移転制度や会社分割制度の導入、企業会計における連結財務諸表制度の本格的な導入を背景に、企業グループの一体経営が急速に進展しつつある実態に相応しい課税の仕組みを構築することを目的として創設されました。

連結納税制度では、連結親法人が連結グループ全体の法人税の申告納税義務を負うこととされており(法人税法81条の2281条の27)、連結親法人に対して課税される各連結事業年度の連結所得に対する法人税の課税標準は、その連結親法人の属する連結法人の各連結事業年度の連結所得の金額とされます(法人税法81条)。連結法人の各連結事業年度の連結所得の金額は、その連結事業年度の益金の額から損金の額を控除した金額とされ(法人税法81条の2)、連結グループ内に課税所得を有する法人と欠損金を有する法人がある場合には、所得金額と欠損金額が通算され連結グループ全体の法人税の負担が軽減されます。

なお、連結納税の開始又は連結グループへの加入に伴う資産の時価評価制度の適用対象外となる連結子法人の繰越欠損金の引継ぎは可能ですが、時価評価制度の適用対象となる連結子法人の繰越欠損金については、引継ぎが認められず切り捨てられます(法人税法81条の92項)。

 地方税については連結納税制度が導入されていないため、法人税について連結納税制度を選択した場合でも、従前どおりの個社別の申告納税を行うことが必要となります。